セントラル・リーグ 後半戦の救世主候補 ヤクルト編

早いもので2022年のペナントレースももう半分近くの戦いが終了し、いよいよ後半戦に突入する。そこで、現時点でのセリーグ6球団の状態を振り返りながら、後半戦、活躍しそうな選手を1人ずつ挙げていこうと思う。

(順位、成績は暫定7/8(金)17.00時点のもの)

東京ヤクルトスワローズ 

救世主候補 原樹里 投手

 

 交流戦では圧倒的な成績を残し、最速でマジックを点灯させた、現在のセントラル・リーグに君臨するスワローズ。ここまでの快進撃は盤石の中継ぎ陣と、絶好調村上宗隆を中心とした打線の力が大きい。ビハインド時でも防御率2点代の木澤尚文、コール、大西宏樹が登板してくるのだから、如何にリリーフ陣が鉄壁か分かる。しかし、ここ数試合は主に7回を任されていた今野龍太が調子を落とし、経験豊富な石山泰稚は二軍で調整。防御率0.00を継続していた田口麗斗も7/6の対巨人戦でサヨナラを喰らうなど、ここにきて勝ちパターンの投手が打ち込まれるシーンも見えてきた。また先発陣では満を辞して登板したスアレス、昨年4勝を挙げた金久保、2軍で無双していた吉田大喜ら谷間を任された先発投手が悉く弾かれ、開幕当初のゆとりローテとは行かなくなってきている。小川泰弘、原樹里、高橋圭二、サイスニード、高梨裕稔、石川雅規の6人で回せればいいのだが、若い高橋と大ベテランの石川を抹消しながらの投手起用を余儀なくされている。突出したエースと呼べる先発投手がいないのはスワローズのスキである。後半戦にこのハンディが悪い方に傾くと、Vやねんの再現も有り得る。

 先発事にこのような弱点がある中で、私は原樹里に期待したい。昨年は後半戦から本格的にローテーションに入り、奥川泰伸と双璧をなす安定感を見せつけた。また2018年にも後半戦にプロ初完封を含む5勝を挙げており、後半戦に強いイメージがある。6月に月間MVPを受賞した小川泰弘は、例年8.9月頃には調子を落とすことも考えると、キャリア的にも脂の乗ってくる頃の原樹里には充分、エースと呼ぶに相応しいパフォーマンスを期待できるのではないだろうか。